公開: 2024年3月18日
更新: 2024年7月27日
米国社会では、人種や性別など様々な特性によって、差別が生まれています。差別される特性を持った人々は、様々な状況で、ハンディキャップを追うことになります。つまり、社会的に何も対応を採らなければ、様々な状況で、差別を受ける結果になります。特に、教育において、そのような差別を受けると、差別を受ける人々は、一生、差別を受ける側に回ることが普通です。このことを社会的に是正するため、米国社会では、「アファーマティブ制」と言うやり方がしばしば採用されています。
例えば、入学者の男女間格差を是正するために、格差を受けている性別の人々が有利になるように、評価基準を変えるなどの対応を取ります。同じように、入学希望者が住んでいる地域によって、特定の地域の人々の学力が高く評価される傾向がある都市部の場合、その都市に住む人々の評価を相対的に低めにすることなどです。基本は、米国の人口構成比に従って、合格者の構成比を決めることをアファーマティブ制と言います。
大企業の取締役会メンバーの構成比なども、米国社会の人口構成比に適合するように、人種、性別、出身地域などを調整します。これも、アファーマティブ制の実践例の一つです。米国企業の幹部に女性が多いのは、このアファーティブ制を導入しているからです。最近では、人種についてもアファーマティブ制を導入して、管理職への昇進、取締役への選任なども調整する企業が増えています。大学の合否判定でも、同じような方法が採用されているのです。
2023年、一部の不合格判定を受けた受験者からの「違憲申し立て」に対して、米国最高裁判所は、その審議で、保守的な判事による多数決によって、「アファーマティブ制は、アメリカ合衆国憲法に反している。」と、判決を下しました。バイデン大統領は、この最高裁判所の判定が、「米国社会の民主主義を破壊する。」と、批判しました。